2017年2月17日金曜日

作家もこそっと書くブログ3 プチ企画と西垣D

上田です。次回の新作は、#144「熱闘!ホイロスタジアムの旅」です。ホイロというのはこちら。


ディレクター2人が入ってみてますが、何らかの懲罰や、怖い心理実験とか、黒歴史を彷彿とさせますね。ここで愉しい企画をやろう!というのが今回の旅です。

なぜこれをやることになったかというと、上田製菓(ヨーロッパハウスの一階、上田の実家の焼き菓子工場)にあるこの「ホイロ」が、近日中に撤去されるから、なんですね。私ごとですが、昨年に父がなくなりまして、上田製菓が廃業の運びとなったんです。で、せっかくなら撤去される前になにか旅をやろう、という。べつにこのホイロに思い入れがあるとかではないんですが、なにか旅が1本できそうだぞ、ということですね。

そこで「ホイロ」を使った、久しぶりの「プチ企画集」シリーズです。このシリーズ、たまーにありまして。「卓上企画の旅」(DVD1巻収録、ダイジェストはこちら)ですとか、「ギリシアの旅」など。1つの旅の中でプチ企画を5~10個ほど考えなくてはならない、こう言っちゃなんですが作家チームとしては手間のかかるシリーズです。

ここで頼りになるのが、プチ企画の申し子・西垣D。暗い旅ポータルの企画も、こんなのとかこんなのとか、だいたい西垣さんが出してくれてまして、プチ企画製造機さながらに、毎週毎週ボツも含め相当数のアイデアをひり出してくれます。なのでここでは西垣Dからの提出メモを例にとりつつ(勝手にごめんね)、今回の「ホイロを使ったプチ企画集」ができるまでを追いかけたいと思います。

とりあえず「ホイロで企画を考えてきましょう」という打ち合わせの1回目。西垣Dから出てきたメモはこんなの。


まずは「使い方系」。アイデアがほとばしってます。サウナにしたリ、バーにしたリ、猫カフェ、水槽…といった使い道。無茶なことも書かないと会議が踊りませんので。


次に「ゲーム系」。たしかにホイロは真ん中で2部屋に分かれているので、2人で入って対戦ゲームをしたくなる形なんですよね。「両壁を足で踏ん張る」とか面白そうです。「テレパス実験」というのも振るってます。「目隠ししてホイロまでたどり着く」というのもありますね。


その他、こんなアイデアも。ケバブパーティ! 楽しそう! いっそ「ホイロでケバブパーティをする旅」で決まりか、と思いましたが、元々上田製菓で使っていたものを、最後違うフードを作って終わり、というのも変かなと思ってこれはボツに。あと「ホイロでたむろ選手権」に丸がついていますが(気に入った)、これだけのためにたくさんの人を呼ぶのも忍びないな、ってことで、これもやらないことに。

そのほか、西垣さん以外のアイデアも検討して侃侃諤諤したのち、とりあえず方向性としては「ホイロを使った対戦企画でいこう」と絞られました。「石田VS酒井」で、対戦企画をいくつもやっていくイメージ。

で、ここで角田さんに、例の「旅くんイラスト」を発注すべく、タイトルを「熱闘! ホイロスタジアムの旅」と定めまして、角田さんに伝え、後日上がってきたイラストがこれ。


左右2部屋に分かれて戦う感じはとくに伝わってませんが、いつも角田さんのイラストが届くとわくわくします。いつかイラスト展やりたいぐらい。

で、さらに2回目の打ち合わせでは、とにかく「ホイロを使った対戦企画」を各人持ち寄ります。ここでも西垣さんがダントツの数(50個ぐらい!)、ネタだしをしてくれてました。僕はサボって1つだけ。

西垣さんのをいくつか見ていきますと。


のっけから飛ばしてます。西垣さんのいいところは、企画にちゃんといちいち名前を付けてくれるところ。


これなんてメルヘンチックな企画です。ボツでしたが。


前回のメモにあった「目隠ししてホイロまでたどり着く」に、「ホイロまでまいろう」という素敵な名前がつきました! が、そもそもホイロらしさが薄い企画だったのでボツに。


これはなぜか判定員が指定されてます。ディテールは大事です。

と、とにかく搾りかすまで出し尽くしたものを、紙に書きつけてまずは提出する。そこからすべては始まります。「会議にはとにかく紙を出そう」が合言葉です。で、ここからさらにアイデアを選んで磨いてルールを整えて、足りないとさらに考えて、テストプレイして…といろいろやって、ようやく1つの旅を構成するのにふさわしいプチ企画たちが出揃うんです。

プチ企画ってなんていうか、番組とか作家の基本単位のようなものだと思ってまして、日々のスパーリングのようなものでもあります。芸人さんでいう大喜利みたいなものでしょうか。そして、最近ではYoutuberの方々もすごくて、群雄割拠のプチ企画大航海時代のような様相を呈してきているなあ、と。そんな中で、劇団である僕らがやれるプチ企画はこれだろう、と思ってやっているのが「暗い旅ポータル」ですんで、そっちも注目してくださいませね。西垣Dが気を吐いてますんで。

と、プチ企画について大仰に語ってしまいましたが、やってることは、今回でいうとホイロでできる遊びを延々考えているだけなのでくだらないです。そうして今回は「これぞ」という6つのホイロ企画が生まれました。これを石田さん酒井さんが、愉しんだりけなしたり、不発だったり大花火だったりしながら、ホイロを鎮魂するのが「熱闘!ホイロスタジアムの旅」です。ホイロの魂よ安らかに、放送をお楽しみに。

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