2017年8月6日日曜日

作家もこそっと書くブログ8 ひと部屋で。

えー、8月5日(もう6日ですね)、24時30分から。

tvkさんで、めでたく暗い旅の放送がスタートしまして。
記念すべき第1回目として、
「中川さんの頭に象のじょうろを乗せる旅」が、放送されました。
ご覧いただいたあなた、どうもありがとうございます。

一方そのころ、同時刻。
KBSさんでは、まったりと
「ダニエルがボードゲームを営業しにくる旅」が、
再放送されていまして。
こちらも、ご覧いただいたあなた、おおきにです。

そうなんです、分裂しているのですよね。

東西で、放送時間帯が同じにも関わらず、
放送回が、ズレているという。
さぞ、東西で盛り上がるぞ、なんて期待していましたけども。
これでは、神がお怒りになったあとのバベルの塔ばりに、
東西で断絶が生じてしまいます。

ですので、近い将来、同じタイミングで新作が流せるように。
今現在、呼吸を合わせ中です。もう少々お待ちください。
それまでは、列島を分断する温度差をお楽しみくださいね。

このブログも、前回
「放送終了後にこのブログを上げるような感じにしていきますね。
 あとがきっぽく愉しんでいただけたらと。」
などと、気取って書いたわりには、
さてお前は東西どっちのあとがきを書くのだ、と
2択を厳しく迫られていますが。

まあ今回は、tvkさんでの放送スタートを記念して、
「中川さんの頭に象のじょうろを乗せる旅」のことを書きますね。
そして早急に、西垣さんとブログの分担を話しあいます。

「中川さんの頭に象のじょうろを乗せる旅」は、
まあ一目瞭然、こういう回でございました。


アンラッキーな中川さんをラッキーにすべく、
ラッキィ池田さんに倣って、象のじょうろを
何があっても頭に乗せ続ける、という企画。

失敗して象が転落すると、象の断末魔が悲痛に響くという。
さらに、象を小さくできる「子象チャンス」や
象を重くできる「重りチャンス」もあって。

何を思ってこの旅をやろうとしたのか、今となってはおぼろですし、
何がどう作用して、そうなったのか分かりませんが、
恐らく暗い旅史上、ベストワンの回となりました。

これは、KBSで見た方の年末アンケートでもそうだったし、
僕らスタッフの手ごたえとしても、そんな打撃感になってます。
はるきっちゃんがはりきっちゃんになってくれたおかげです。

中川さんは、「俺はこの回以降呼ばれていない」などと
SNSで猛っていますが、それは「わりとベストが出た」からです。

いろいろ奇跡にも恵まれましたしね。

どうせつまんないステージがあるだろう、と思って
10ステージ用意していたら、10ステージすべて味わい深かったという。

なので、これいっそ2回分にしようかな、という誘惑もありましたが。
それをも振り切って、(まあ2回分やることではないですが)
10ステージをぎゅっと23分に濃縮したのが、この回です。

あんまり手前味噌になってもあれですが、
ひとつ、褒められるところがあるとすれば、
「この旅を、一部屋でやっている」ということですね。

いや、正確には、畳敷きの部屋と、
となりの床張りの部屋の、二部屋ですが。

いずれにせよ、豪華なセットとか、大掛かりな外ロケではなく
(そんなことやったことないですけど)
殺風景なヨーロッパハウスの二階だけで、こんなふうな
大人がキャッキャとエキサイトする旅ができた。

これに僕は、ある感慨を感じています。

ひと部屋企画、好きなんですよね僕。

過去にも、「盛り上がるジグソーパズルパーティーの旅」とか。
ボードゲーム関連の旅、クイズ関連の旅、
あと、KBSで折りしも放送された
「ダニエルがボードゲームを営業しにくる旅」もそうですが。

ひと部屋で、充実感のある旅をする。
これが、ぼく個人としての、内なる目標でありまして。

遡ること7年前、暗い旅を始めるときに、
建築家の、吉阪隆正さんという方の
「旅行」という文章に、ガツンと稲妻を落とされました。

以下、引用しますね。

↓↓

ときどき旅行をすることをすすめます。
金も暇もいらない魂の旅行をすることを。
この肉体の中ばかりをうろうろとしている魂に、
時々は肉体から飛び出して、人の肉体の中に入ってみたり、
あるいは空高く舞い上がって
宇宙全体が見渡せるような所まで遊びに行くことです。

銀河も、あらゆる他の星座も、
小さなひとつの塊に見える所まで行って、
またもとの肉体に戻ってくることです。
そしてわが胸のぬくもりの中で、
静かに旅の思い出にふけってごらんなさい。
顔におのずとほほえみを覚えるでしょう。

↑↑

「ははー、これだ!」となりまして。
番組のテーマを、こういうことにしよう、と。
魂の旅行をするのだ、それには、金もヒマもいらないのだと。

以来、なんとなく、
「物理的には遠くへ行っていない、その割には
 フィーバーした旅」というのが、いい旅。
という基準が、僕の中に、ひっそりと芽吹きました。

西垣くんとか鍋ちゃんは、外ロケも好きらしいので、
べつに足並みは揃っていないのですが。
まあ、僕はそんなわけで、「ひと部屋企画」に、
ある思い入れがありまして。
(単にインドア派なだけかもしれません)

ですので、この
「中川さんの頭に象のじょうろを乗せる旅」で、
ベストスコアが出せたことは、
僕としては、嬉しさもひとしおなんでした。

スポーツが嫌いで、体育も1で、
旅行も遠出もしたくない僕の、面目躍如っていいますか。

もし、この旅をご覧になって、
銃弾を鍋のふたで防ぐ中川さんの背景に、
ふと、アフリカの大地のジブリ(熱風)を感じていただけたなら
望外の喜びですし、
プラスチックの象たちのレースに、
モナコの潮風の匂いがふと鼻をかすめたなら、
この旅をやった回があるというものです。

魂の旅行とはそういうことです。

えーそして、これが曲がりなりにもベスト1ということは、
次回以降、目減りするんじゃないかという懸念は免れませんが、
旅の好みはそれぞれですし、同じアテンドはしてないつもりですし、
これからもよりエキサイティングな旅ができるよう、
スタッフ一同、鋭意努力してまいります。

そうして、これは!という旅がいつか思いついたときには。
また中川さんに出てもらいたいと思います。
パオーン!

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